オンライン診療の始め方【2020年版】ビデオ通話システムや設備、研修、届出など

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新型コロナウイルスの影響で外来患者数を落としている医療機関も多いと思います。

収束してもコロナ以前には戻らないと言われてますね

アフターコロナの対策の一つとして注目されているのが、オンライン診療

今回は、そんなオンライン診療の始め方をまとめていきます。

◆ビデオ通話システム

オンライン診療は、患者さんとのビデオ通話を通じて診察を行うものです。

なので、いずれかのビデオ通話システムが必要となります。

①専用サービス

専用サービスには、以下のような種類があります。

 運営会社導入施設数
curon(クロン)(株)MICIN2,500
YaDoc(ヤードック)(株)インテグリティ・ヘルスケア2,200
CLINICS(クリニクス)(株)メドレー1,000
Pocket Doctor
(ポケットドクター)
MRT(株)/(株)オプティム500

導入施設数は各社が公表しているものですが、実際の稼働はもっと少ないでしょうね

専用システムのメリットは、

  • セキュリティ面で安心
  • 法律やガイドラインに準拠している
  • クレジットカード決済が使える
  • 診療予約機能がついている
  • 問診機能がついている

などです。

唯一と言って良いデメリットは、初期費用・月額費用がかかること。

金額や機能については、メーカーによって違いがあります。

詳しくはこちらの記事を参照ください

オンライン診療システム7社の特徴や料金を比較【2020年版】メドレー・クロン・YaDoc・Pocket Doctorなど
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2020年夏には、LINEヘルスケアが「専用サービスを開始する」と発表していて、注目を集めています。

②汎用サービス

専用サービスはメリットが多いですが、費用面でハードルが高いのも事実です。

そこで「とりあえず試してみたい」という方には、汎用サービスも良いと思います。

端末
LINEスマホ
FacetimeiPhone
ZoomPC/スマホ
SkypePC/スマホ

汎用サービスのメリット・デメリットは、専用サービスの逆だと思っていただければ良いです。

特にセキュリティ面では、情報漏えい等の責任をすべて医療機関で負わなければならないため、注意が必要です。

特に、LINEの規約では、

営業、宣伝、広告、勧誘、その他営利を目的とする行為

は禁止事項。

その上で、LINEが定めた「オンライン診療マニュアル」に準拠した取り組みに限り認めているのです。

汎用サービスは、メーカーの規約ひとつで使えなくなるリスクがありますね

◆必要な設備・機材

専用サービスにしても汎用サービスにしても、必要な設備・機材は限定的です。

  • パソコン
  • WEBカメラ
  • タブレット端末
  • 無線LAN(Wi-Fi)

パソコンやタブレットは、情報の混同を避けるため、個人所有のものは避ける必要があります。

同じ理由で、電子カルテやレセコンとの併用も避けた方がよいです。

WEBカメラはパソコンに内蔵されていれば、それでOK

タブレット端末は必須ではありませんが、専用サービス『ポケットドクター』では、指差し機能などを活用するため、タブレットが推奨されています。

無線LAN(Wi-Fi)も必須ではありませんが、ノートPCやタブレットを効率的に使用するためには、あった方がベターでしょう。

◆オンライン診療に関する研修

オンライン診療に関する研修は、3種類あります。

1つ目は、オンライン診療を行う医師向けの研修です。

内容は、オンライン診療に関する基本的理解や情報通信機器の使用、情報セキュリティ等に関するものとなっています。

2つ目は、緊急避妊薬の処方に関する研修です。

2019年7月より、初診でオンライン診療による緊急避妊薬の処方が可能となりました。

産婦人科以外の医師がこの処方を行うためには、この研修の受講が義務とされています。

上記2つの研修は、eラーニングで実施されています(https://telemed-training.jp/entry)

3つ目は、慢性頭痛のオンライン診療に係る適切な研修です。

5年以上の経験がある脳神経外科・脳神経内科の医師以外の医師が、慢性頭痛患者のオンライン診療を行う場合、この研修の受講が必要です。

この研修の詳細は不明です。分かる方、コメントをお願いします

◆施設基準の届出

オンライン診療を実施する保険医療機関で「A003 オンライン診療料」を算定するためには、「別添7」「様式2の5」の提出が必要となります。

別添7

別添7は、基本診療料の施設基準等に係る届出書です。

  • 保険医療機関コード
  • 連絡先担当者氏名(院長や事務長など)
  • 電話番号
  • 届出日
  • 保険医療機関の所在地および名称
  • 開設者名

を記載します。

また、過去6ヶ月間に、

  • オンライン診療で不正行為をしていないこと
  • 療担規則に違反していないこと
  • 不正請求をしていないこと

にチェック。

さらに、

  • 当該届出を行う時点において、厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法に規定する入院患者数の基準に該当する保険医療機関又は医師等の員数の基準に該当する保険医療機関でないこと

にチェックを入れます。

最後の「当該届出を行う時点において…」は、許可病床数を超えて入院患者を受け入れたり、医師の数が足りない医療機関でないかを問われています。

ほとんどの医療機関は当てはまりません

最後に印鑑を押して完成です。

この場合の印鑑は、

開設者が個人であれば個人印、法人であれば法人代表者印(丸印)を押印してください。

とされています。

様式2の5

様式2の5は、オンライン診療料に係る届出書添付書類です。

申請する医療機関が、施設基準に該当するかをチェックする書類です。

  • ガイドラインに沿って診療を行う体制を有していること
  • オンライン診療料の算定回数の割合が1割以下であること

にチェックを入れます。

そして、慢性頭痛患者のオンライン診療を行う場合は、配置する医師名と経験年数を記入。

慢性頭痛のオンライン診療に係る適切な研修を受講した場合は、受講を確認できる文書を添付してください

ちなみに、厚生局に提出する書類が複数になる場合、

できるだけ、クリップで留めていただきますようお願いします

とされています。

参考までに、オンライン診療料の施設基準を載せておきます。

オンライン診療料に関する施設基準

(1) 厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う体制を有する保険医療機関であること。

(2) 当該保険医療機関内に脳神経外科又は脳神経内科の経験を5年以上有する医師又は頭痛患者に対する情報通信機器を用いた診療に係る研修を修了した医師を配置していること(頭痛患者に対して情報通信機器を用いた診療を行う場合に限る。)。

(3) 当該保険医療機関において、1月当たりの区分番号「A001」再診料(注9による場合は除く。)、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「A003」オンライン診療料、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(I)及び区分番号「C001-2」在宅患者訪問診療料(II)の算定回数に占める区分番号「A003」オンライン診療料の算定回数の割合が1割以下であること。

◆まとめ

という訳で今回は、オンライン診療の始め方をまとめてみました。

他の施設基準とくらべると、そんなに大変ではありません。

アフターコロナの対策に、お試しで始めてみてはいかがでしょうか?

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