データ提出とは?【2020年版】加算点数や施設基準、回リハ・療養病棟の経過措置など

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病院の診療実績をデータベースで報告する「データ提出」制度。

2020年度の報酬改定で、200床未満の「回リハ5・6」「療養病棟」もデータ提出が義務化されました

今回は、データ提出についてまとめていきます。

◆データ提出とは?

データ提出とは、入院・外来に関する診療実績を国にデータベースで提出するものです。

  • 一般病棟
  • 地域包括ケア病棟
  • 回復期リハビリテーション病棟
  • 療養病棟

を持つ病院で、義務付けられています。

これらの病棟は包括評価が導入されているため「どのような医療が行われているか?」が見えにくくなります。

このため、診療実績の詳細の報告を求めることにより、

  • 粗診粗療により患者に不利益が生じていないか
  • 医療の質低下が生じていないか

を確認することが目的とされています。

国は、病院が何をやってるか把握したいんですね

◆データ提出の加算点数

データ提出の加算点数は次のようになっています。

データ提出
加算1
データ提出
加算2
データ提出
加算3
データ提出
加算4
200床以上140点150点140点150点
200床未満210点220点210点220点
加算時期入院初日に限り算定療養病棟または病室において、入院期間が90日を超えるごとに1回算定
提出データ入院データ入院+外来データ入院データ入院+外来データ

月間50人の新規入院患者がいる一般病床で、外来データまで提出すると、

50人 ✕ 220点 ✕ 10円 = 110,000円

月間11万円の増収となりますね

◆データ提出加算の施設基準

データ提出加算の施設基準は、次の4点となっています。

  1. A207診療録管理体制加算に係る届出を行っていること
  2. 厚労省が毎年実施する「DPC導入の影響評価に係る調査」に適切に参加できる体制を有すること。 また、厚労省保険局医療課およびDPC調査事務局と電子メール・電話で連絡可能な担当者を2名指定すること
  3. DPC調査に適切に参加し、DPC調査に準拠したデータを提出すること
  4. 「適切なコーディングに関する委員会」を設置し、年2回以上委員会を開催すること

1.については、

ア 回復期リハビリテーション病棟入院料のみの届出を行う保険医療機関
イ 地域包括ケア病棟入院料のみの届出を行う保険医療機関
ウ 回リハ病棟入院料および地包ケア病棟入院料のみの届出を行う保険医療機関

であれば、届け出をしていなくても、A207の施設基準を満たしていれば良いとされています。

いずれにしても、診療録管理体制加算の施設基準を満たさなきゃダメなんですね

参考までに、診療録管理体制加算1の施設基準を簡単に記載しておきます。

  1. 診療記録(過去5年間の診療録及び過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されていること
  2. 中央病歴管理室が設置されており、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制であること
  3. 診療録管理部門または診療記録管理委員会が設置されていること
  4. 診療記録の保管・管理のための規定が明文化されていること
  5. 年間の退院患者数 2,000名ごとに1名以上の専任の常勤診療記録管理者が配置されており、うち1名以上が専従であること
  6. 入院患者についての疾病統計には、ICD(国際疾病分類)上の規定に基づき、4桁又は5桁の細分類項目に沿って疾病分類がなされていること
  7. 以下に掲げる項目を全て含む電子的な一覧表を有し、保管・管理された診療記録が、任意の条件及びコードに基づいて速やかに検索・抽出できること
    ア 退院患者の氏名、生年月日、年齢、性別、住所
    イ 入院日、退院日
    ウ 担当医、担当診療科
    エ ICDコードによって分類された疾患名
    オ 手術コードによって分類された当該入院中に実施された手術
  8. 全診療科において退院時要約が全患者について作成されていること。また、前月に退院した患者のうち、退院日の翌日から起算して 14日以内に退院時要約が作成されて中央病歴管理室に提出された者の割合が毎月9割以上であること
  9. 患者に対し診療情報の提供が現に行われていること

データ提出加算の施設基準4.の委員会については、少なくとも

  • コーディングに関する責任者
  • 診療部門に所属する医師
  • 薬剤部門に所属する薬剤師
  • 診療録情報を管理する部門又は診療報酬の請求事務を統括する部門に所属する診療記録管理者

を構成員とすることになっています。

◆回リハと療養病棟の経過措置

これまで200床未満の「回リハ5・6」と「療養病棟」はデータ提出が免除されてきましたが、2020年度報酬改定で義務化されました。

しかし、この義務化にあたっては2段階の経過措置があります。

  1. 一定の経過措置(2022年3月末)を設ける
  2. データ提出が困難な正当な理由ある場合は、当分の間、当該入院料を算定できる経過措置を設ける

1.によって、まず全体で2年間の猶予期間があります。

さらに2.により 正当な理由がある病院は 当分の間猶予されることになりました。

正当な理由とは「電子カルテが入っていない」という理由で良いみたいです。

当分の間がいつまでなのかは未定です。

2024年3月くらいまでじゃないでしょうか?

◆提出データの内容

データ提出とは、具体的には何を提出するのでしょうか?

提出する内容は次の8種類です。

  1. 様式1
  2. 様式3
  3. 様式4
  4. 入院EF統合ファイル
  5. 外来EF統合ファイル
  6. Dファイル
  7. Hファイル
  8. Kファイル

様式1

様式1は、患者情報です。

具体的には、患者情報、入院情報、退院情報、診断情報、手術情報、その他の診療情報から構成されています。

様式1を作成するため、DPC調査事務局にて支援ソフト(無料)が配布されているほか、各ベンダーも電子カルテに連動したシステム(有料)を開発しています。

後者はお金がかかるだけあって、使い勝手は良いです

診断情報には疾病名を入力することになります。

この際は、医療資源をもっとも投入した疾病名をICD-10(国際疾病分類第10版)から選択することとされています。

様式3

様式3は施設情報です。

具体的には、病院の病床数、算定可能な入院基本料等加算、重症度 医療・看護必要度に係る状況、病棟コードの設定状況について入力します。

様式3も、DPC調査事務局からExcelファイルが公開されています。

様式4

様式4は、医科保険診療以外の診療情報です。

具体的には、

  1. 医科レセプトのみ
  2. 歯科レセプトあり
  3. 保険請求なし(自費等)
  4. 保険と他制度との併用
  5. その他(臓器提供者等)

のいずれかを入力します。

様式4については、入力データフォーマット(エクセルファイル等)は配布されていません。

入院EF統合ファイル

入院EF統合ファイルとは、入院の出来高点数情報です。

DPC病院であっても、包括される診療項目であっても、出来高で換算した点数情報を作成します

Eファイル(診療明細)、Fファイル(行為明細)はレセコンから出力。

DPCデータ提出支援ツール(DPC調査事務局にて公開)を使って、EF統合ファイルを作成することになります。

外来EF統合ファイル

外来EF統合ファイルとは、外来の出来高点数情報です。

外来データの提出は必須ではありませんが、これを作成するとデータ提出加算2、4(+10点)が算定できます。

Dファイル

Dファイルとは、包括診療明細情報です。

DPC病院だけが提出するファイルになります。

Hファイル

Hファイルは、日ごとの患者情報です。

様式1も患者情報なので似ていますね

Hファイルの方は重症度、医療・看護必要度の評価対象となる患者のデータを1日ごとに作成します。

このため、対象病棟も急性期や地域包括ケアに限られています。

Kファイル

Kファイルは、一次共通IDに関する情報です。

2020年の改定から新しく追加されました!

患者の3情報(生年月日、カナ氏名、性別)から共通IDを作成します。

こちらも、支援ツールがDPC調査事務局が配布されています。

◆データ提出評価加算

データ提出加算に関連して、データ提出評価加算というものもあります。

これは、2018年度診療報酬改定で新設された加算で、作成するデータの質を評価するのが目的です。

「データ提出加算の加算」という形で、点数は40点

施設基準は、以下のとおりとなります。

  1. データ提出加算2のロ又4のロの届出を行っていること。
  2. 診療内容に関する質の高いデータが継続的かつ適切に提出されているものとして、次のいずれにも該当する場合であること。
    ア 当該加算を算定する月の前6か月間に1度もデータ提出の遅延等がないこと。
    イ当該加算を算定する月の前月以前に提出した直近3か月分のデータ及び提出データと同じ期間における未コード化傷病名の割合の基準を満たすこと。
  3. 2.のデータ提出の遅延等とは、調査実施説明資料に定められた期日までに、当該医療機関のデータについて、DPC調査事務局宛てに提出されていない場合、提出されたデータが調査実施説明資料に定められた提出すべきデータと異なる内容であった場合をいう。
  4. 未コード化傷病名の割合の基準に満たすこととは、次のいずれにも該当する場合をいう。
    ア 調査実施説明資料に定められた様式1へ入力されたレセプト電算処理用の傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名のコード(0000999)の割合が2%未満
    イ 調査実施説明資料に定められた外来EFファイルへ入力された傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名のコード(0000999)の割合が2%未満
    ウ 医科の全ての診療報酬明細書に記載された傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名のコード(0000999)の割合が10%未満

1.「データ提出加算の2のロまたは4のロの届出」とは、要するに200床未満の病院であることを意味しています。

どれくらいの病院が、評価加算をとってるでしょう?

2018年12月のDPCデータによると、

  • データ提出機関 3,907病院
  • うち、加算2  2,441病院
  • うち、評価加算 2,200病院

なので、全体の過半、加算2の約9割が、データ提出評価加算を算定しています。

◆届け出スケジュール

データ提出加算を始めるためには、まず様式40の5を届け出ます。

様式40の5を届け出る機会は、年に4回のみです。

2020年度は、5月20日、8月20日、11月20日、翌2月22日です

40の5を届け出た後は、2ヶ月分の試行データを作成して、提出。

これに合格通知がくると、様式40の7を提出し、受理された翌月1日からデータ提出加算を算定することができます。

加算開始後のデータ提出も、年に4回となっています。

(7月、10月、1月、4月の22日)

基本的に、40の5を提出した後は、継続してデータを作成する必要がありますね。

◆まとめ

という訳で今回は、データ提出加算について概要をまとめました。

特に、200床未満の療養病棟、回リハ5・6のみの方はご参考いただけますと幸いです。

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