2020年4月の診療報酬改定で、200床未満の療養病棟も、データ提出が義務化されました。
経過措置は2年間です
今回は、療養病棟がデータ提出加算を始める手順をご紹介します。
◆提出するデータ
データ提出とは、入院・外来に関する診療実績を国にデータベースで提出するものです。
提出するのは、
- 様式1(患者情報・病態)
- 様式3(施設情報)
- 様式4(保険区分)
- 入院EF統合ファイル(入院の出来高情報)
- 外来EF統合ファイル(外来の出来高情報)
- Dファイル(包括診療明細情報)
- Hファイル(日ごとの看護必要度)
- Kファイル(NBDとの紐づけ情報)
の8種類。
このうち5.の外来EF統合ファイルは、出しても出さなくてもOKです。
出すと10点追加されます
また、6.のDファイルは、DPC病院が対象なので、療養型の病院は関係ありません。
7.のHファイルは看護必要度に関するものなので、療養病棟のみの医療機関であれば関係ないでしょう。
◆導入スケジュール
まずは全体の導入スケジュールから見ていきましょう。
4月から加算スタートとすると、11月に手上げ(様式40の5の届け出)が必要となります。
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | |
システム | 検討 | 決定 | 導入 | 練習 | ||||||
様式40の5 | 届出 | |||||||||
試行データ | 作成 | 作成 | 提出 | 合格 | ||||||
様式40の7 | 届出 | |||||||||
本データ | 作成 | 作成 | 作成 | 提出 | ||||||
加算 | 開始 |
手上げのチャンスは、年に4回(5月、8月、11月、翌2月)しかありません。
システム検討から考えると、10ヶ月は必要ですね
◆必要なシステム
様式1(患者情報・病態)
様式1を作るのが、一番大変だと思います
DPC調査事務局である「株式会社健康保険医療情報総合研究所 (PRRISM)」から、無料で入力支援ソフトが配布されています。
しかし、DPC病院の経験がある方でないと、これを使いこなすのは難しいでしょう。
なので、PRRISM社から、有料版『様式1クリエイター』も販売されています。
また、電子カルテを導入されている病院は、電子カルテのオプションで様式1を作る機能が(ある場合も)あります。
様式3(施設情報)
様式3もDPC調査事務局から無料ソフトが配布されています。
こちらはExcelの単純なものです。
入力項目はたくさんありますが、パソコンが使える人なら問題とはならないでしょう。
様式4(保険区分)
様式4は、無料ソフトは配布されません。
お使いのレセコンからデータを吐き出すことになります。
ORCAを含むレセコンメーカーは、様式4に対応したオプションを準備しています。
EF統合ファイル(出来高情報)
EFファイルは、まずレセコンからデータを吐き出す必要があります。
様式4と同様、レセコンメーカーがオプションで対応しています。
次に、吐き出したデータを、提出用に変換する作業が必要です。
変換に関しては、DPC調査事務局から無料ソフトが配布されています。
入院EFファイルは必須、外来EFファイルは任意提出となっています
Kファイル(NBDとの紐づけ情報)
KファイルもEF統合ファイルと考え方は同じです。
レセコンから吐き出したデータを、配布された無料ソフトで変換して作成します。
◆施設基準の届出
①様式40の5提出(手上げ)
データ提出加算の体制が整ったら、様式40の5の届けを行います。
いわゆる「手上げ」ですね
様式40の5を届け出る機会は、年に4回のみです。
2020年度は、5月20日、8月20日、11月20日、翌2月22日です。
- 試行データ作成開始日
- DPC調査事務局と常時連絡可能な担当者(2名)
を記載して、印鑑を押して地方厚生局に提出します。
②試行データ提出
40の5を届け出た後は、2ヶ月分の試行データを作成して、提出します。
③様式40の7提出
試行データに合格通知がきたら、様式40の7を提出します。
- 施設基準に該当していること
- 許可病床数
- データ提出加算1~4の別
を記載して、印鑑を押して地方厚生局へ提出。
受理された翌月1日からデータ提出加算を算定することができます。
④加算開始後
加算開始後のデータ提出も、年に4回となっています。
(7月、10月、1月、4月の22日)
また、必ず「再確認依頼(返戻)」が返ってきて、それぞれ提出(年に4回)しなければなりません。
結局、年に8回の作業となります。
◆まとめ
という訳で今回は、データ提出加算の導入についてご紹介してまいりました。
年に4回という独特のスケジュールがありますので、計画的に準備する必要があります。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
データ提出そのものに関する記事はこちら!
データ提出加算を算定するためには、診療録管理体制加算の届出が必要です!
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