新型コロナウイルスの感染者数が増加しています。
2020年1月24日、イギリスとアメリカの研究者は、
武漢だけで、2月4日までに最大35万人超が感染する
という驚異的な予測を公表しました。
では2月4日以降は、どうなるのでしょうか?
また、我々が暮らす日本では、どうなっていくのでしょうか?
こういう疑問に答えるべく、この記事では、2月末時点の中国そして日本国内の感染者数を割り出してみます。
◆新型コロナウイルス・今後の感染者数を予測
まずは、おおまかな結論です。
2020年2月末の段階で、中国国内の感染者数は213万人、死者数は6万人超。
日本国内の感染者数は2,864人で、死者数は86人と予測されます。
以下に、計算の根拠をご説明します。
◆感染者数予測の根拠
①ウイルスの基本再生産数
ウイルスの基本再生産数とは、1人の感染者が感染させる可能性のある人数のことです。
新型コロナウイルスについては、研究者によって、以下のようにばらつきがあります。
- リード(ランカスター大学)…3.6〜4.0
- マイムナ・マジュンダル&ケネス・マンドル(ハーヴァード大学)…2.0〜3.3
- WHO…1.4〜2.5
この記事では、上記を参考に「基本再生産数3.0」を採用しています。
ちなみにSARS(重症急性呼吸器症候群)の基本再生産数は2〜5で、麻疹(はしか)は12〜18とされています。
②潜伏期間
中国当局は、新型コロナウイルスの潜伏期間を、最短1日、長くて14日間と説明しています。
そこでこの記事では、平均をとって「潜伏期間7日間」として計算します。
①と合わせて考えると、 1人の感染者から1週間で3人に感染し、さらにその3人から1週間後にそれぞれ3人に感染する…という前提となっています。
③致死率
WHOは、新型コロナウイルスの致死率は約3%程度と見ており、この記事でも「致死率3.0%」で計算します。
ちなみにSARSコロナウイルスの致死率は約10%、MERSコロナウイルスは約34%なので、相対的に新型は「毒性が低い」とされています。
④基準日・基準値
予測計算の基準日は、2020年2月1日としています。
基準日の数値は、1月29日の実績をベースに、基本再生産数「1.5」で計算しています。
ちなみに1月29日現在の中国国内の感染者数は 5,974人、死者数は132人。
日本国内の感染者数は8人、死者数は0人です。
実際には、顕在化していない患者が相当数いて、一方で早期に回復する患者もいますが、この記事では考慮していません。
◆2月末には日本国内で2,864人が感染し86人が死亡
以上の前提条件で算出した感染者数が、下の表です。
中国 | 日本 | |||
感染者数 | 死亡者数 | 感染者数 | 死亡者数 | |
2月1日 | 14,935人 | 448人 | 20人 | 1人 |
2月8日 | 41,818人 | 1,255人 | 56人 | 2人 |
2月15日 | 176,233人 | 5,287人 | 236人 | 7人 |
2月22日 | 552,595人 | 16,578人 | 740人 | 22人 |
2月29日 | 2,138,692人 | 64,161人 | 2,864人 | 86人 |
国ごとに見ていきましょう。
①中国国内
2月1日には感染者数が14,935人となり、SARS(感染者数8,096人)、MERS(同1,200人)を上回ります。
2月8日には死者数が1,255人となり、死者数でもSARS(774人)、MERS(約450人)を上回ります。
2月末時点では、感染者数213万人、死者数6万4千人の予測となっています。
②日本国内
計算上では、2月1日に日本国内でも死亡者が発生。
感染者数は指数関数的に増加するため、2月中旬には感染者数236人、死者数7人。
2月末にはその10倍の、感染者数2,864人、死者数86人まで拡大する予想です。
◆感染者数が拡大しないために
ショッキングな感染者数の予測となりましたが、もちろん、この通りになるとは限りません。
誰もが感染者になり得ることを自覚し、手洗い・消毒・マスクなど、予防することが重要です。
ちなみにマスクに関しては、医療従事者がマスクを装着することで、
- インフルエンザの感染を66%低下させる
- SARSの感染を87%低下させる
という効果が検証されています。
しかし過信は禁物。
医療従事者は、N95マスクという高機能マスクを使っているのです。
一般に出回っているマスクは《ウツらない》効果は限定的。
むしろ感染者が他の人に《ウツさない》ことに効果があると考えるべきです。
◆ワクチン開発について
そして、感染予防といえばワクチンですよね。
現在、新型コロナウイルスに有効なワクチンが開発が、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所などで進められています。
日本の厚生労働省も、資金拠出などで協力しているのだとか。
開発が早期に進んで、上記の表のように感染者数が拡大しないことを願ってやみません。
◆インフルエンザの方が怖い?
新型コロナウイルスは「新型」とついているので、なんか恐ろしいですよね?
人間とは、未知のものをおそれる生き物なのです。
しかし実は、毎年おなじみのインフルエンザの方がよほど怖い…という専門家もいます。
新型コロナウイルスとインフルエンザを比較してみましょう。
新型コロナウイルス | インフルエンザ※ | |
基本再生産数 | 3.0 ※当記事 | 2~3 |
感染者数 | 6,040人 ※世界合計、1月29日現在 | 全世界で毎年300~500万人 |
死者数 | 132人 ※世界合計、1月29日現在 | 全世界で毎年25~50万人 |
※インフルエンザのデータはWikipedia より
感染者数、死者数は、インフルエンザの方がはるかに多いですね。
「新型」を過度に恐れることはないという事が、よく分かります。
◆まとめ
という訳で今回は、新型コロナウイルスの患者数を予測してみました。
個人的に興味があったので計算してみましたが、保健衛生の専門家ではないので、素人のつぶやき程度にお考え下さい。
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